サラマンカ市について

LA PLAZA MAYOR(中央広場)

東西南北の各棟に囲まれた広場側の面に意味があり、東は王室の面、西は大学の面、北(正面)は市庁舎の面、南は市民の面と言われる。

中央広場レリーフ①

中央広場レリーフ①

王室の面には歴代の国王胸像と名前入りのレリーフが、順に市庁舎側に続き最も近いのはフアン・カルロス1世前国王夫妻の胸像だ。昔はその並びの中にあったフランコ将軍のレリーフは今はない。(2022年2月)。また現国王フェリペ6世夫妻の胸像もまだ見られない。

中央広場レリーフ②

中央広場レリーフ②

西側は学問や教育の分野で貢献のあった人達のレリーフだ。フライ・ルイス・デ・レオン、ネブリハ、セルバンテス、ウナムーノ、ロヨラなどなど著名人が並ぶが、これも王室の面同様に入れ替えも考えられる。

正面は市庁舎。バルコニーの上の階にEU,スペイン国、カスティージャ・イ・レオン州、サラマンカ県、サラマンカ市の5本の大きな旗が一斉に見られるのがまるで社会科の教科書のようだ。
地面にはユネスコ世界遺産入り(1998年)のプレートがある。またここでの年末のカウントダウンはスペイン時間と時差1時間のポルトガル時間の回楽しむ市民や学生も多い。

中央広場(正面)

中央広場(正面)

 

LAS CATEDRALES(大聖堂)

新と旧の大聖堂が隣接しているのは珍しい。新聖堂の後部に聖歌隊のキャビンがあり、キャビンの上部左右にパイプオルガンがある。祭壇を背中にして左側が辻宏氏の修復したもので今も使用されている。

旧聖堂は後部右側から入る。地元の伝説「戦いのキリスト」の奇跡がいくつか描かれているといわれるが、あまり判別できない。むしろ興味深いのは、この「戦いのキリスト」にまつわる伝説である。「戦いのキリスト」とは、あの11世紀の英雄El Cidの片腕だったドンヘロニモ司教がバレンシアでのイスラムとの戦いで取り返したとされる軍旗のことである。この軍旗が司教とともに祀られていたのがこの旧聖堂である。その後軍旗も信仰の対象となり新聖堂に移された。奇跡のひとつは、その信者だった聖堂の職人が工事中、天井から落ちたが無傷だったそうだ。

毎年10月31日になると、伝統行事の一つとして、民族衣装を着け、太鼓を抱えて大聖堂の塔の時計台の鐘まで登る一人の男性がいる。1755年リスボン大地震で市街地の建物に被害が出たものの犠牲者は出ず、また大聖堂に避難した市民も無事であったことを時計台まで登って神に感謝した男性がいたことが世襲として受け継がれている。

大聖堂

大聖堂

 

CASA DE LAS CONCHAS(貝の家)

伝説の一つにこんな話がある。サラマンカの若者がフランスの国王の息子との決闘の結果譲り受けたものとされ、負けた息子の命と引き換えに国王が”mal donado”(悪い贈り物)といって譲り渡したので「マルドナド」の家となった。

屋敷の貝は、マルドナド卿の所属していたサンティアゴ騎士団のシンボルだったとか、息子の妻の実家の紋章、ともいわれる。

貝の家

貝の家

 

CONVENTO DE SAN ESTEBAN(サンエステバン修道院)、コロンブス公園と近郊の町ZORITA

コロンブスはサラマンカ大学に計画の実現可能性の調査を依頼し、学者側は否定的な判断だったが、ドミニコ派修道院はそれでも庇護を続けた。今のドミニカ共和国、ドミニカ国とこのドミニコ派との名前の類似はワケありか偶然かよく分からない。しかし伝聞によれば、コロンブスの来島後のカリブ海諸島では征服者が原住民の激しい抵抗にあった。そうした中でこのドミニカ派からは「自分たちは武器ではなく、言葉と会話で原住民を治める」とのスローガンが叫ばれたという。

近くにコロンブス公園があり、新大陸の方向を指さす例の銅像が見られる。また近郊のZoritaにもコロンブスの足跡がある。

サンエステバン修道院

サンエステバン修道院

コロンブス公園

コロンブス公園

 

 

 

 

 

 

 

通称”桜が丘“(岐阜市民団体寄贈)

2012年3月、岐阜県市民団体「桜の会」による約50本の桜の植樹祭がCalle la Palmaの一角で日本国大使臨席のもと市役所と日西センターの-協賛で行われた。日本の桜を懐かしく思う代表的な場所である。桜といえば、地元の人は南へ約100キロ下ったJerteの町を薦めてくれる。こちらは見事な桜の園である。

桜が丘

桜が丘

トルメス川沿い

一年を通して心地よい散歩コースがトルメス川沿いである。

特にAldehuela公園沿いの春は一斉にアーモンドの花が満開、静かな散策コースとなる。夏は海の家ならぬ川の家が建ち並ぶ公園手前の川岸で一時の涼を楽しめる。秋は大学のグラウンドSalas Bajasの竹ほうきを逆さに立てたようにして並ぶ背の高いポプラらしい落葉樹が印象的である。また冬、今は川も凍ることはなく雪も殆ど降らないが、外気に触れる顔がぴりぴりする乾燥した寒さが心身を引き締める。

トルメス川沿い

トルメス川沿い